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宇宙港開港が契機に…広がる宇宙産業への挑戦【大分】

大分空港からロケットを打ち上げる「宇宙港プロジェクト」が来年に迫り、大分県内でいま宇宙産業へのさまざまな取り組みが動き始めています。

「3、2、1、発射!」

大分県国東市で開催された宇宙イベント。来年にも宇宙港となる大分空港のお膝元として機運を高めようと、地元の商工会青年部が企画しました。

(参加した子ども)「雲の上まで飛んでいくと思った」

「楽しかったのでまた打ち上げたい」

青年部は宇宙港計画を地域活性化につなげるため、宇宙飛行士の山崎直子さんをゲストに講演会を開くなど地元での取り組みを加速させています。

(国東市商工会青年部・田吹聡部長)「地元国東市にとっては千載一遇のチャンスに他ならない。観光客が増え、経済がうるおって活性化していくことを願っている。」

アメリカのヴァージン・オービット社は去年、大分空港をアジア初の水平型ロケット打ち上げ拠点に選出。計画では10年で20回の発射が予定され、102億円の経済波及効果が見込まれています。

このプロジェクトを見据え、大分県内ではさまざまな分野で動きが活発化しています。

(大分大学理工学部・衣本太郎准教授)「こちらが私が発明した宇宙でも使える新素材です。」

大分大学の衣本准教授が発明したこちらのプレート。プラスチックのように見えますが、実は「セルロースナノファイバー」という成分でできています。

こちらはセルロースナノファイバーと普通のプラスチックの強度を比較した実験です。機械で圧を加えてみると…2倍以上の強度があることがわかります。

(大分大学理工学部・衣本太郎准教授)「セルロースファイバー自身は金属と重量あたりで比べると非常に強い硬い。ブロック状やシート状に加工したものを人工衛星の部品に使えないかという研究をしている。」

この成分、元はどこにでも生えている竹。竹は繁殖力と生命力が強い一方、手入れが行き届かないと環境を悪化させるおそれがあります。この問題を解決するため衣本准教授は圧力鍋とミキサーを使って、竹の繊維からセルロースナノファイバーを取り出すことに成功。人工衛星で使うプラスチック部分に置き換わる新素材として10月からJAXAと共同研究を始めました。

(大分大学理工学部・衣本太郎准教授)「このセルロースファイバーが人工衛星の部品の中でも特にどういうところに使えるのかというのを見極めていくということを目標にまずはやっている。将来的には今後活用できるのでは。」

一方、宇宙データを活用する新たな取り組みもー。

(ザイナス・山本竜伸常務)「こちらは別府湾の海洋ゴミを示すデータ。衛星データをもとに、ゴミがあるところを赤い点で示している。」

大分市のシステム開発企業「ザイナス」。こちらでは人工衛星から送られてきたデータを使ったAI予測システムの開発を進めています。現在、取り組んでいるのは別府湾に漂う海洋ゴミの居場所を予測する技術。別府湾ではほぼ毎日、清掃船が海に出てゴミを取り除いていますが、それがどのあたりを漂っているか予測は困難で出港しても回収できない日があるといいます。こうした現状を受け、ザイナスは衛星データの活用を検討。さらに過去に海洋ゴミが回収された場所をAIに学習させ、ゴミが数日でどう動くか解析しようと研究を重ねています。

(ザイナス・山本竜伸常務)「宇宙港から情報をうまく活用して、今度は産業として日本全国に出ていく、また世界につながっていく。我々としてはそれを引っ張っていける会社になればと考えている。」

宇宙港計画を受けて動き始めた大分県内企業の挑戦は今後さらに広がりそうです。

2021/11/24(水)のOBS大分放送ニュース
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